『だが、情熱はある』

終わってしまった。日テレ日曜ドラマ『だが、情熱はある』。キンプリの髙橋海人さん主演かつラブストーリーではなさそう(ラブストーリーというものに興味が薄いため)という理由だけで観はじめた。

私はお笑いについてほとんど何も知らない。芸人も知らない。南海キャンディーズもオードリーも何も知らない状態で観はじめた。だからドラマ開始後とにかく話題になっていた「本人にそっくりである」という反応については何も共感できなかった。もとの人の芸風を知らないから。ちなみに正直最終回を迎えた今でも、お笑いというものについて惹かれる感覚は殆どない。

けれど本当に本当にいいドラマだった。なにもかっこよくないところがとってもかっこいいドラマだった。K-POPのコンテンツを見始めて3年ほど?日本らしさというものについて考えることが増えたけど、日本らしい何かがとても詰まったドラマだった。かっこつける。照れやプライドで素直になれない。どうせ自分なんてっていう感覚。それでもやるんだよ!という、実話であるからこそのかっこいいストーリー運びにはならないかっこよさのようなものを毎回ありがたく受け取っていた。K-POPはとっても完成されている世界で、ダメなところは見せないから。

主演のふたりはもちろん、脇を固める俳優陣が誰もかれも素晴らしかった。実在する人を演じるってどんな気持ちなのだろう。最終回は特に、ドラマ開始直前直後のエピソードも盛り込まれていて、とてもライブ感があった。いい話で終わらせないひねった感じに、気楽なユーモアを感じた。

このドラマのタイトルを『だが、情熱はある』にしたっていうのがいいよね。たりないふたりではなくて。

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